保健衛生向上を
岡崎出身・杉山さん 青年海外協力隊でアフリカへ
岡崎市立矢作北中学校出身の杉山葵さん(25)が15日、JICA(独立行政法人国際協力機構)青年海外協力隊としてアフリカ西部のベナンに派遣される。8日に市役所を訪れ、内田康宏市長に出発を報告した。
赴任期間は2027年4月14日まで。現地の保健センターで勤務し、妊婦健診で訪れる母親や地域住民に対して基礎衛生やマラリアをはじめとする感染症予防、早めの受診の必要性などについて啓発する。病気による人権侵害の防止や、保健センターの業務改善に向けた支援にも取り組む。
杉山さんは中学3年生の頃に国際協力に関心を持ち、光ヶ丘女子高校国際教養科(同市大西町)、上智大学総合グローバル学部(東京都)に進学。昨年末までロンドンの大学院に通い、アフリカ・ザンビアの健康問題や人権について研究した。「日本で育った自分には現地のニーズを予測するのは難しい。ちゃんと知るためにもアフリカ地域で現地の人と近い生活を送り、保健分野の経験を積みたい」と考えていたところ、大学院で共に学んだ日本人の協力隊経験者から話を聞き、応募した。
ザンビアを訪れた際、「医療機関は悪魔とつながっている」といった価値観が医療機関を受診しない一因になっていると学んだ。ベナンでも伝統医療が信じられている中、マラリアで命を落とす人が多いといい「住人の価値観を調査して現地の伝統医療も尊重しながら、別の治療法があることを提示していきたい」と力を込めた。(酒井希実)