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東海愛知新聞

江戸時代の切子灯籠

岡崎の小野さん 妻の実家で発見
200年前に思いはせる

岡崎市向山町の小野宗芳さん(77)の妻・裕子さん(72)の実家で、江戸時代のものとされる切子灯籠が見つかった。収納してある木箱には文化9(1812)年の文字が見られることから、歴史研究家らは「200年以上も前の切子灯籠が残っているのは珍しい」としている。 (竹内雅紀)

裕子さんの実家は市内にあり、江戸時代は三河木綿問屋として栄えた。江戸の日本橋にも“支店”があったとされており、現在放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺」の主人公・蔦屋重三郎とも関わりがあったとされている。三河木綿問屋の当主は狂歌師「浅倉庵三笑」という号で活躍し、版元だけでなく狂歌も広めたとされる蔦重との交流もあったという。

切子灯籠は縦長に切った和紙などを張り付けた提灯で、悪霊をよけ、煩悩を降伏する魔よけの意味がある。「べらぼう」の放送でも切子灯籠が出たため、小野さんは妻の実家から見つかったものと同様ではないかと気づいた。保存状態は良く、吹き流しのような部分もしっかり残っている。さらに、収納する箱の裏には狂歌が書かれ、「文化九壬申」の文字が見て取れる。

文化9年は蔦重が生きた時代(1750〜97年)より後のことになる。小野さん夫妻は「時代を超えて200年以上残っていることに驚いた」と語る。

これらの物は岡崎市美術博物館に寄贈する予定という。

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