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東海愛知新聞

アジアゾウ「ふじ子」永眠

57歳 岡崎市東公園動物園の“アイドル”

岡崎市東公園で開園当初から愛されてきた雌のアジアゾウ「ふじ子」が7月30日午後2時20分ごろ、死んだ。57歳だった。市が同日、発表した。県内では最高齢のアジアゾウだった。 (犬塚誠)

市動物総合センター(あにも)によると、死因は不明だが、高齢だったことが一因とみられる。この1カ月ほどは右前足外側の爪の状態が悪化して食も徐々に細くなり、ゾウ舎の外に出る機会が減っていた。

ふじ子は1968(昭和43)年4月10日、スリランカ生まれ。開園前年の82年12月8日、14歳の時に市と親善都市提携を結ぶ広島県福山市のレジャー施設「福山遊園」(現在は閉園)から贈られた。

体長3.6メートル、体高2.7メートル、体重4トン(推定)の圧倒的な存在感で岡崎市民らに親しまれた。ベルトコンベヤーでの餌やり体験が好評で、例年の人気投票では不動の1位。誕生日前には全国から果物も寄せられた。

一方で、10年ほど前からは前足の爪のトラブルとも闘っていた。爪ががれたり、膿んだりしていたため、飼育員が週に3回ほど爪を洗って消毒。コミュニケーションも取りながら体調を保ってきた。

ただ、高齢になってからも食欲は旺盛で、今年に入っても1日2食程度の食事を残すことなく食べていた。4月12、13の両日に開かれた誕生日会では特製ケーキを平らげて、来園者を驚かせた。

最後の“外出”となったのは7月11日。放飼場に出ることはできなかったが、ゾウ舎前のパドックで姿を見せた。翌12日以降はゾウ舎内で生活していたものの、30日午前6時25分ごろに自力で起き上がれなくなった。

ふじ子の死から一夜明けた31日には、ゾウ舎の前でふじ子をしのぶ市民の姿が見られた。同市の関俊幸さん(67)は「小さい頃から見ていたので残念。『ありがとう』という感謝しかない」と惜しんだ。

内田康宏市長もふじ子の死を受けて「ふじ子は東公園一の人気者でありましたが、同時に岡崎のシンボルでもありました。偉大な存在をなくしたことは大変残念なことであり、深い悲しみが込み上げてまいります。これからは天国から、市民の幸せとふるさと岡崎の発展を見守ってほしいと思います。安らかに眠ってください」とのコメントを発表した。

同園ではきょう1日から31日まで、ゾウ舎前に献花台を設置する。午前9時〜午後4時。月曜(祝日の場合は翌日以降の最初の平日)休園。あにもは今後、「お別れの会」を開く可能性もあるとしている。

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