ありがとう「ふじ子」
岡崎市東公園動物園で献花続々
7月30日に高齢のため57歳で死んだ岡崎市東公園動物園のアジアゾウ「ふじ子」をしのぶ献花台が8月1日、同園のゾウ舎前に設置された。内田康宏市長をはじめ、多くの市民らが訪れ、長年親しまれた同園の“アイドル”との別れを惜しんだ。献花台は31日まで設置される。 (竹内雅紀)
献花台には5年前の52歳の誕生日(4月10日)に撮影されたスイカを食べようとするふじ子の写真が飾られた。また、1日分の餌、メッセージノートなども用意された。
最初に献花した内田市長は「子どもたちのアイドルであり、東公園のシンボルで、かけがえのない存在だった。ご苦労さまでしたと言いたい」と述べ、ゾウ舎の活用も含めた今後については明言を避けた。
同市大平町の本目加奈美さん(42)は「大好きだったふじ子が、まだいるのではないかと思っている。お別れは言いたくないけれど、感謝を伝えようと思って来た」と、あふれる涙を拭いながら言葉を振り絞った。
2001(平成13)年から担当飼育員としてふじ子を見守ってきた山西聡さん(54)は「元気に過ごしてくれてありがとうと言いたい。ふじ子とは濃密な時間を過ごせた。パートナーのような存在だった」と目に涙を浮かべながら語った。
部活動の一環で等身大のふじ子の像を昨年制作し、文化祭で披露した岡崎城西高校元美術部長の竹内杏里さん(19)=現名古屋芸術大学1年=は「献花や飼育員さんの話を聞いて亡くなったことを実感した。感謝の気持ちを伝えることができた」と気丈に話した。
なお、きょう2日の岡崎城下家康公夏まつり花火大会の中で追悼メッセージがアナウンスされる予定。