平和な世 継承へ
豊田市博物館 戦後80年の企画展
きょう15日は終戦の日―。豊田市博物館で戦後80年の企画展「せんそうのきおく」が開かれている。市は平和な世の中を目指すことを継承するため、市内に残っている太平洋戦争に関する資料を展示。多くの来館者が見入っている。10月9日まで。 (竹内雅紀)
豊田市内は主に疎開先だったため、岡崎市内のような大きな空襲被害はない。しかし、空襲後の米軍爆撃機B29が機体を軽くするため、残った焼夷弾を豊田市内に投下することはあったという。終戦前日の1945(昭和20)年8月14日にはトヨタ自動車工業株式会社挙母工場(現トヨタ自動車株式会社本社工場)などに大型爆弾が投下されたという記録が残っている。
常設展示場には軍服や焼夷弾、B29の部品、児童画など50点が展示されている。市内には当時3つの飛行場があり、そのうちの1つでは特攻隊が編成され、後に出撃している。会場には命を落とした隊員が家族に向けた手紙や、豊田市戦没者遺族連合会が制作した戦没者遺族のインタビュー動画などもある。
同市は6月に平和都市宣言をした。展示担当者は「戦争の記憶が薄れつつある中で、尊い命と苦難の歴史の上に築かれた繁栄と平和について考えるきっかけになれば」と語る。
午前10時〜午後5時30分。月曜休館。一般300円、大学生・高校生200円、中学生以下無料。