76事業に5億円超
幸田町村合併70周年 2年間分の総額判明
幸田町で2023、24年度に実施された町村合併70周年記念事業に、総額5億843万9277円かかったことが本紙の取材で分かった。9月1日開会の町議会9月定例会に上程される24年度一般会計決算認定案には、24年度分の4億9992万8777円が含まれている。(酒井希実)
事業数は「町村合併70周年記念」の冠を付けた恒例行事も含む76事業。記念品や記念歌「こうたの空へ」、ロゴマーク、ドラマ「最高のオバハン中島ハルコ スピンオフ―大谷家の大騒動! 愛知・幸田町」(東海テレビ)、映画「サイボーグ一心太助」などが制作された。また、昨年10月の記念式典、歴史や福祉といった各分野の専門家らを招いた講演会、NHK交響楽団やミュージカル「忍たま乱太郎」の公演などのイベントも多数開催した。
町は昨年12月~今年2月、ふるさと納税制度を利用したクラウドファンディング(インターネットを介した資金調達)で70周年事業への支援を募った。寄付の際に同事業を選択し、通常の返礼品がもらえる仕組みで、町外へのアピールが目的。2037人から2億8091万6000円が集まった。目標額は5億1848万円だった。
町企画政策課の担当者は「新型コロナウイルス禍でさまざまな我慢を余儀なくされていた状況から、幅広い世代に向けたイベントが多く開催でき、町民からは好評を得ていると認識している。スポーツや文化に親しむ機会ができ、町内外に向けてPRにもなった」と述べている。
町民の意見は賛否が分かれた。団体運営に関わる40代女性は「70周年を一緒に盛り上げられたら良かった。町だけでつくり上げてしまった印象で少し残念。一緒にできたらもっと幅が広がったんじゃないか」と指摘。町内で事業を営む50代男性は「チャレンジは良かったと思うが、事業が多過ぎたんじゃないか。縦割りで予算も分散してしまい、1つ1つの効果が目に見えない。一生懸命やっていたのは分かるので、75周年に向けて頑張ってほしい。もっと面白いまちになれば」と期待を寄せている。