救命や消火で貢献
岡崎と幸田の消防本部
従業員らに感謝状
岡崎市と幸田町の消防本部は9日、それぞれ人命救助や初期消火に貢献した住民に感謝状を贈った。迅速な対応で事の重大化を防いだとして、勇気ある行動をたたえた。 (犬塚誠、酒井希実)
岡崎市消防本部は職場で倒れた同僚の命を救ったとして、リマンド・ジェイジェイ・タリガさん(28)とゴンザガ・ジョンラッシュ・デギアさん(34)=共にフィリピン国籍=と鈴木友也さん(34)を表彰した。
3人は同市上明大寺町の複合商業施設「オト リバーサイドテラス」内の「うなぎの兼光」の従業員。定休日だった6月17日、30代の男性従業員が調理場で倒れた際に、胸骨圧迫や119番通報などで命をつないだ。
リマンドさんは救急隊が到着するまでの約8分間にわたって胸骨圧迫を継続した。西尾市内にいた店長の鈴木さんにはテレビ電話をし、鈴木さんが119番通報をした。ゴンザガさんは隣の飲食店に応援を要請した。
男性は9月1日に職場へと復帰。早期の処置があったことで、後遺症もなかった。リマンドさんとゴンザガさんは「怖かったが、助けられて良かった」、鈴木さんは「2人の対応が救命につながった」とそれぞれ述べた。
幸田町消防本部は、従業員が火災の通報や初期消火をして被害を抑えたとして幸田町坂崎のYogi Transport合同会社に感謝状を贈った。
7月22日、同社に隣接する無人の事業所から出火しているのを、ブラジル人従業員のウメキタ・ファビアノさん(47)が発見。ウメキタさんは事業所のブレーカーを落とし、自分の体をぬらして火に水を掛けて消火。他の従業員も通報や消火を手伝ったという。
同本部によると、消防車が駆け付けた時点で火は消えていた。ビニールハウスの天井と中にあった物が燃えたが、けが人はなかった。出火原因はビニールハウスの天井に雨水がたまってレンズ状になり、太陽光が集まって発火したとみられている。
ウメキタさんは「ただ周りに燃え広がるのが心配だった。感謝状をもらえたのはこれ以上ない名誉。温かく迎えてくれる日本人を大切な家族のように感じ、地域社会を支えたいと思っている」と笑顔を見せた。