冨田先輩、歌ったよ
岡崎市立本宿小 児童の声を収録
岡崎市立本宿小学校で26日、OBの音楽家・冨田勲さん(1932=昭和7~2016=平成28=年)が作曲した「青い地球は誰のもの」のレコーディングが行われた。全校児童約280人が参加。音源は11月4日に本宿地区に開業する「三井アウトレットパーク岡崎」の共用通路で流される。 (犬塚誠)
11月開業アウトレットで放送
共用通路は「サウンドストリート」という名称で、本宿ゆかりの冨田さんの人生や功績を紹介する。この日収録した音源をはじめ、冨田さんが作曲した市内小中学校の校歌など10曲を営業時間中、順番に放送する。
三井不動産株式会社(東京都中央区)によると、サウンドストリートは地域に親しまれてきた冨田さんの作品を通して、施設への愛着を深めてもらうための仕掛け。地域共創に向けた取り組みの一つでもある。
今回の収録に当たっては、「青い地球は誰のもの」を新たに編曲。幼少期の冨田さんが「足踏みオルガンに夢中だった」という逸話に着想を得て、冒頭部分は冨田さんが同級生の伴奏をしているイメージになっている。
この日は冨田さんの長女・妹尾理恵さん(69)=東京都港区=や、大学院時代に冨田さんの薫陶を受け、晩年まで交流があった名古屋音楽大学(名古屋市中村区)講師の津田賢吾さん(47)らが録音に立ち会った。
児童は少し緊張した面持ちでマイクの前に立ち、録音に臨んだ。教員から「もっと地球のことを考えて」「(音を)伸ばすよー」といったアドバイスを受けながら歌声に磨きをかけ、元気いっぱいに歌い上げた。
1年の冨田光臣君(7)は「聴いてくれる人が明るい思いになってもらえるように歌った。みんなが平和でいられるような地球になってほしい」と思いを込めた。
妹尾さんは「父はすごく岡崎を愛していたので、父がいればどんなに喜んだことか。全校児童で歌ってくれて感動したし、こんなにうれしいことはない」と笑顔を見せた。