大型バスでの自動運転実証運行
電車通りを行き来
岡崎市と名鉄バス
岡崎市内で30日、自動運転バスの実証運行が始まる。操作が部分的に自動化された大型バスを市中心部の既存路線で走らせ、安全性や運行の確実性のほか、運行が市民に受け入れてもらえるかなどを検証する。(犬塚誠)
市によると、運転士不足の解決に向けた取り組み。2023、24年度に続き3回目となる。これまでは小型バスや閉鎖空間での運行が主だったが、本年度は大型バスを使用し、実施場所も交通量が多い公道を選んだ。
経路は市中心部を通る県道岡崎幸田線(電車通り)のうち、名鉄東岡崎駅南口(明大寺町)〜JR岡崎駅東口(羽根町)を結ぶ約3.5キロ。12月20日まで(火曜を除く)の午前9時〜午後5時台に、各日10便運行する。
車種は、いすゞ自動車株式会社(横浜市西区)製の「エルガ」。障害物検知のためのカメラや専用機器などが取り付けられている。操作は原則自動だが、路上駐車回避時や歩行者の飛び出し時などは手動で対応する。
「エルガ」を使った市街地での自動運転バスの実証運行は愛知・岐阜・三重県内で初。事業費は7925万円で、国の補助金を活用するため市費負担はない。運行主体は岡崎市と名鉄バス株式会社(名古屋市中村区)。
名鉄バスは28年度までに公道でのほぼ完全な自動運転の導入を目指している。瀧修一代表取締役社長は11月25日に行われた出発式で「運転士不足の中で路線の維持・確保は重要。実用化に向けて努めたい」と述べた。
岡崎市は、自動運転バスへの試乗を希望する市民らを募集している。運賃無料で1便当たり先着20人。乗降場所は事前に選べる。申し込みは、運行日前日までに同社専用ウェブサイトで。問い合わせは、同市地域創生課公共交通係(23―6486)へ。
