矢作の山車知って
岡崎 地域住民が記念誌発行
岡崎市矢作町の住民が、地域に伝わる山車を紹介する記念誌を作った。きらびやかな彫刻と幕に代表される山車の魅力をはじめ、巡行時に奏でられるおはやしや散逸した山車の行方などについてまとめている。(犬塚誠)
同町では「矢作町二区」と「矢作町三区」が、それぞれ江戸時代末期に建造された山車を1台ずつ所有している。金箔を施した彫刻や金糸銀糸を用いた幕の刺しゅうから“動く美術品”とも称されている。
二区ではおおむね4年に一度、三区では隔年で山車を引き回している。ただ、公開機会の少なさから町内でも知名度は低め。市と旧矢作町が合併70周年を迎えたのを機に、山車の存在を広く知ってもらおうと企画した。
それぞれの山車の概要はもちろん、矢作のまちを襲った水害や変わりゆく街並みの様子を記録することで地域史としての側面も持たせた。題名は『魂をひく』。山車とその精神を未来へ引き継ぐ思いを込めた。
編集・発行を担当した「矢作町三区山車保存会」の金森誠也代表(79)は「目に触れる機会が少ないからこそ、興味を持ってほしい。矢作の山車が岡崎、さらには愛知県の山車として認知されれば」と期待を込める。
A4判、85ページ、1500部発行。非売品。市立中央図書館や一般社団法人岡崎市観光協会の観光案内所で閲覧できる。
三区の山車は30日に市立矢作東小学校運動場で公開される。午前9時〜11時30分ごろ。雨天中止。
