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東海愛知新聞

松平氏進出から600年

岡崎の岩津地区 歴史継承に住民奮闘

松平氏が現在の岡崎市岩津地区を拠点としたことが記録として分かる1426(応永33)年から、今年で600年。岩津を徳川家康へと続く松平家発展の礎となった場所として、地元住民が歴史的意義を後世に伝えようと奮闘している。(酒井希実)

松平氏は加茂郡松平郷(現在の豊田市松平町)に興り、一説によれば1421年ごろ、2、3代当主の泰親と信光らが岩津に進出。新たな居城として岩津城(現岡崎市岩津町)を築き、26年に若一神社(同町)を建てたと伝わる。同神社には、同年に社殿を造営したことと「泰親」の名が確認できる棟札が残っている。

65年に元幕府の奉公衆らによる一揆が勃発した際、足利将軍家の執事・伊勢貞親に仕えていた信光が鎮圧。その後、安城、岡崎の両城も攻め取ったとされる。信光は領地拡大とともに約30〜40人いたとされる子どもに土地を与えて治めさせたことで、松平氏発展の基礎を固めた。

現在、地元住民らでつくる団体「『岩津松平氏輝きの600年』推進懇話会」が、岩津城跡の整備に取り組む。代表の阿部太郎さん(75)が静岡県内の高校を定年退職後、約40年ぶりに帰ってきた故郷・岩津に「発展の跡」を感じられなかったことから、組織を立ち上げて地域を盛り上げようと考えたという。

竹が生い茂る岩津城跡を見て「岩津の歴史的な重要拠点である城跡はきれいでなければ。自分たちの力で少しでも切ってきれいにしよう」と地元の仲間と話したのをきっかけに、2019年4月に同会が発足。その後ボランティア参加者が増え、整備が進んだ。

同会は松平氏の岩津進出から600年の節目を機に、信光の業績をたたえるイベント「信光フェスタ」を今年11月3日に開催する。岩津松平氏の歴史を地元に根付かせ、活動を継承しようと、小中学生をはじめ地元住民を巻き込んで活動の意義を伝えている。

町内で喫茶店を営む近藤まさ子さん(77)は「この数年で少しずつ活気が出てきた。今年は盛り上がりそう」と期待を寄せる。同市立岩津小学校の小林憲校長は「子どもたちに岩津がなければ家康はいない、岩津はすごい所だと誇りに思ってほしい。活動している人たちのことを知り、自分たちが守っていきたいと思えるよう、学校としても協力していきたい。子どもたちから思いを広げることで地域が元気になれば」と思いを込めている。

阿部さんは「信光は600年前に、松平家を発展させるという夢を抱いて岩津に来た。優れた政治家でもあった信光の思いを学び、この先は(岡崎の)北部地域としてどのようなまちづくりをしていくかを、次の夢として地域で考えていきたい」と語っている。

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